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2007年7月23日 (月)

大切なこと

  大切なこと
 
頼まれれば嫌とは言えない。
CD、カラオケ、合コン、麻雀。流行の服に身を固め、
みんなに頼られている事に、優越感すら感じる。
誘いを断るなんてことは、考えられない。
極度の携帯依存症で「友達」と思える相手に、
メールをする回数が1日に200回以上。
携帯を取り上げられれば、ショップに駆け込む。

携帯が使用不可で、待ち合わせに遅れ、不覚にも
1日に2つの約束をすっぽかす事になる。
「自分は回りの友達に大変な迷惑を掛けた」
翌日、謝罪するものの、回りの反応はそれ程でもない。
そう、「代わり」はいくらでもいるのだ。
自分がただ単に都合良く使われていた事に
気付かないまま、友達は離れて行く。

クリスマスに回りから疎外され、街中をひとり
あてもなく彷徨うものの、ひとり寂しく食事している
と思われるのも嫌なので、電話は留守電。
携帯を握り締め、メールばかり気にしている。
親の勧めで通い出した、精神科の医師からの
くだらないメール。「これからみんなとスキーに…」
と嘘をつく。「じゃ、写真を送って」と言われ、
正直に本当の事を話す。「友達がいない」と。

大した治療もしていないようにみえる精神科の
医師を通じ、虚栄を張る事の空しさに気付いて行く。





文春文庫、著:奥田英朗
イン・ザ・プール「フレンズ」より
 
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 上の文章は、たまたま目に入った、とある人のmixiの日記。

 見栄って、人間にしかない精神行動の現われ? ある程度は必要だと思うんだよね。 デートに行くのにおしゃれをして行くというの、ちょっと見栄入ってるかな。 デートの時間にわざとちょっと遅れる、ってこと、したことあるなぁ。 本当はずいぶん前から来てちょっと離れたところで待ってたんだけどね。

 ケータイもmixiも今俺が書いてるようなブログも、どこかで誰かと繋がってるという、安心感が欲しくてやってる、っての、あるかも。 読者を増やそう、気を引こうとして、面白おかしく書いたり。 事実をそのまま書くのではなく、ちょっと誇張するくらいはいいかな。 嘘は困るけど。

 嘘、たまにはいいかもと思うことは、あるな。 書いてしまったら、いつまでも後悔は残る。 たとえそれを消しても、残る。

 
 ブログを始めてから、この、とある人が書いたようなこと、しなくなったな。 そう、こんなにではないけど、俺もこんなだったよ。

 
画像。 石垣空港にて。
 

 

12dec_3 俺は仕事柄、たくさんの人に接する。 見る、会うというだけではなく、必ず“しゃべる”ということをする。 ケータイやインターネットができて俺もそれを駆使する生活をしているけど、面と向かってする会話の快感にはかなわない。 百回のメールの交換よりも一回の会話の方が、頭の中の膿は確実に出て行ってくれる。

 

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