祖国
東京は冷たい雨の一日でした。 どうも、他の誰よりも寒さを強く感じるみたいだ。 体脂肪の少なさが関係するのか、寒くて仕方がない。
『国はどこ?』 『カシミール』
一瞬、それがどこだかわからなかった。 彼が話す英語は、確かにカシミールと聞こえる。 でも、俺の知識の中のカシミールは、国ではない。
『それはパキスタンか?』 とちょっととぼけて訊いてみたら 『そうだ、パキスタンの近くだ』 と返ってきた。 『インドか?』 『インドも近い』
毛織物を日本に輸出している仕事だそうだ。 日本とカシミールを行ったり来たり。 その繰り返しを5年続けているそうだ。 カシミールに奥さんと子どもがいて日本にも奥さんと子どもがいるんだと。 ふたりもいるのかと俺が訊いたら、イスラム教では許されていると答えが返ってきた。 テロにやられたという腕の傷が痛々しい。
国は? と訊くから、日本、と答えた。 『日本のどこだ?』 『京都』
『そこに住む人はいい人か?』 『いや、好きではないから東京にいる』
カシミールは彼の祖国。 でも、日本の地図帳にカシミールという国は載っていない。 ちょっと複雑な思いが残った。
画像。 グアムにて。
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複雑ですね。帰属も決まっていないし、紛争の場所にもなっている。でも、その人の”祖国”には違いない。
最後のジムのサウナのシーンが、ちょっと感じてしまいました。
投稿: たい | 2009年11月14日 (土) 18時40分
たいさん。
祖国の問題は、日本人には実感し難いですね。
彼とはジムを利用する時間が重なっていてよく出くわすんです。 だから話をするようになったんですが、彼に対する印象や気持ちも微妙に変化してきているんです。 そこはまたいつかの機会にでも。
投稿: 達 | 2009年11月15日 (日) 09時56分