禁欲的

　
　雪雲。　もっと寒かったら、雪が舞い落ちてきそうな雲に覆われた今日の東京でした。　秋は駆け足で行ってしまうのですかね。

　
　「楽に腹筋を鍛えられるマシーンはどれですか？」

　さすがに、女の子にこう訊かれたイントラ君は返事に困ってましたよ。　最近はほとんどのものは楽に手に入れることのできる時代になってるけど、自分の理想のカラダを簡単に獲得できるようになるまでには、もうちょっと時間が必要でしょうね。

　
　俺は　“律する”　ということばが好きなんだな。　俺自身はこのことばを　“甘え”　の対極に置いていて、その場に留まろうとする自分の気持ちを鼓舞するために自分自身に言い聞かせることをしたりするんだよ。

　ストイックにトレーニングをしてる人。　同じジムに通う人たちに俺はそう思われているらしい。　ストイック。　禁欲的に自分を律する有様。　自分を律してはいるけど、禁欲的、というのはどうかな。　世俗的な欲望をぎっしりと頭に詰め込んで、その欲望の実現のために自分を律しながらトレーニングしてまっせ。

　
　「楽に腹筋鍛えたいなら、せっせとセックスに励みなさい！」　と、ことばに出さずにいた俺です。
　

　何のために鍛えてるんですか？　って訊かれて、まさか、六尺が似合う身体になるため、とは答えられないわな。　なので、自分がどこまでできるかやってみたいんです、とだけ答えてます。