飲み屋の毒

　
　薫風。　空はちょっと雲が広がってるけど、柔らかな日差しと風が心地よい朝です。　梅雨、間近ですね。

　飲み屋での毒、というものは楽しいもんです。　限られた空間で気の合う仲間と酒の勢いを借りてね。　ただしその話題に入れれば、の話だけどね。　野球と政治と宗教の話題、飲み屋ではタブーなんだそうだよ。　お互いの主張が延々と平行線のままで結論が出ないから、だって。

　もうずいぶん前にこんなことがあったよ。　そいつは、フィットネスジムのロッカールームで六尺褌の日焼けの跡があるヤツを見たそうなんだ。　そのことを、ちょっとコケ下ろすような表現で俺に言うんだな、酒を飲みながらね。　話をしてる相手が、その日焼け跡があるヤツだとは知らないからね。　まあ、その後しばらくしてそいつとは温泉にいっしょに行ったんだけど、俺の日焼けの跡と、風呂から上がって六尺を締める俺を見てどう思ったかは知らないままだよ。

　店の子の毒はもうちょっと控え目に、と思うことはしばしば、かな。　ママ、マスターなら許されても、バイトの子の毒は、ね。　最近○坪は賑わってるらしいよ。　今日は天気がよかったから、○坪は、褌のじいさんたちがうじゃうじゃ・・・。　その褌のじいさんが目の前にいますよ、とは言わなかったけど。

　飲み屋で吐く毒。　それを受け取ってくれるママ、マスターには、感謝、です。

画像。　東京・渋谷、宮益坂にて。
　

　酒はいいね。　酔うのは楽しい。