２０年目の六尺褌

　

　時間が経つにつれ雲が増えて明るさが失われていく今日の東京、夜には雨がやってきそうな雰囲気ですよ。

　今年で２０年目を迎えた俺の六尺生活、俺にとっては六尺褌の存在やそれを締めている自分があたりまえの日常のものになってるけど、世間一般からしてみれば、珍しいものを穿いてるちょっと変わった人、という目で見られている、という意識は持ち続けている。

　人目を忍んで・・・、という意識の人は非常に多いでしょうね。　俺たちゲイにしてみれば、その人たちの中での六尺の、存在だけは多くの人が認めるところだろうけど、それでも人目を忍んで締めている、という人は多いでしょ。　六尺褌 ＝ ゲイ　という意識がゲイでない人にあるのかどうかは知らないけど、六尺を締めていることでゲイと思われる、のがイヤだからこっそりと、って人もいるだろうね。

　そういう俺も　「達さんは六尺を締めてるの？」　と訊かれて　「はい、締めてますよ」　と正直に答えるようになったのは、初めて締めてから１０年くらいが経ってからだからね。　何がキッカケでかは忘れたけど、たぶん何かが起こったから、ってんじゃなかったと思うんだけど、フィットネスジムで解いて、そして締めて、と多くの人の目に晒す、勇気を振り絞ってそうするようになるまでにずいぶんと葛藤があったからね。

　六尺を初めて締めてからの９年間、トランクスやブリーフよりも六尺を締める日数が多くなってからも人目には晒さない日が続くんだよね。　４年目からは六尺の日焼け跡も付けてる訳だけれどその間、銭湯にも行かず、友人と温泉などにも行かず、ジムでシャワーを浴びた後もそれを隠してパンツを穿く、ってことをやっていたんだね。

画像。　２００４年頃。

　

　余計な殻の脱皮の始まり。