裸

　

　空は薄い雲に覆われて、柔らかな日差しが降り注いでくる。　今夜は雨になるらしい。

　振り返れば、裸になりたかったんだろう、と思う。　水泳を真剣にやるようになったのは３０歳になってからなんだけど、社会人になった２０歳代の前半からプールや海にはひとりでも行ってたし、競パンの日焼け跡は年中消えることはなかったくらいに裸になってた。

　裸になりたい、ってのが性癖とは言わないだろうけど、その欲望を満たすことで気持ちが満たされる、って意味では性癖と言っていいと思う。　ひとつの欲望を叶える事が出来る手段を手に入れた意味は、その後の俺にとっては大きな事だったと思うね。

　お風呂はそう好きではなかったんだよな。　２０歳代の後半に東京に転勤になって、住んだアパートの部屋に風呂がなくて銭湯に通い出して、それからかな、お風呂が好きになったのは。　これも、風呂が好きというよりは、人前で裸になる、ってのが目的だったかもしれない。

　プールにはよく行ってたね。　京都にいた時はホリデーインのシーズン券を買ってたよ。　東京で暮らすようになってからは駒沢公園とか神宮のプール。　大阪時代は扇町公園。　フィットネスジムのプールで泳ぐ時は普通（？）の競パンで、屋外のプールや海に行く時はサイドの細いきわどい競パン。　ビシッと競パンの日焼け跡をつけてましたよ。

　

　競パン、好きですよ。